ラスベガス市から南方向に位置するボールダー・ハイウエイ沿いには、「サムズタウン」や「ボールダーステーション」といったカジノホテルが建ち並び、ボールダー・ストリップと名づけられています。
両地域ともターゲット顧客は地元住民で、「サンタフェ」ではラスベガス唯一のアイススケートリンクを設けているほか、花火大会を行ったり、無料バーベキューパーティを開催するなど、地元住民を意識した地域密着型のマーケティングを行っています。
低価格で充実した飲食関係のサービス提供もこれらのホテルに共通しており、住民の間で人気が高いです。
また、これらのカジノホテルに見られる共通点は、どれもルーススロットでペイアウト率(支払い率)を高くして地元客の二ーズに応えていることです。
これは、先に紹介したダウンタウン地区の各カジノホテルがとっている戦略と同じだそうです。
象徴的な区域には、それぞれ中心通りがあり、道路名のあとに「ストリップ」という名称がつけられ、新しいカジノ地域であることが示されています。
たとえば、ダウンタウンから高速道路でリノ方向に10分ほど行った北ラスベガス地域は、カジノホテルとはまったく無縁の地域だったが、何年か前に「サンタフェ」というカジノがオープンしました。
これに続いて「フィエスタ」が登場、さらに「テキサス」が開業するなど、カジノが相次いで建てられたそうです。
この北ラスベガス地域の中心通りは、ランチョ・ロードと呼ばれていることから、最近ではランチョ・ストリップと名づけられています。
ラスベガスの市場細分化のなかで最近、新しい市場の成長が顕著になってきました。
郊外の住宅地をマーケットとするカジノの台頭です。
20年前のラスベガスは、ダウンタウンを中心にひとかたまりの市街地を形成していました。
しかし、まわりの区域全体を含んで人ロ100万人を超える現在では、都心部とその周辺の住宅地域とでは町の様子は一変します。
郊外の住宅地域に一歩足を踏み入れれば、そこがラスベガスだとは思えないような閑静な住宅地が広がり、華やかなストリップ通りやダウンタウンのカジノホテル群とは別の生活が根づいています。
そこに住む人たちは、日常生活のなかでもっと気軽に楽しめるカジノや、地域に密着したホテルサービスを求めています。
これらのニーズにあったカジノホテルが次々と現れてきました。
若者をターゲットにしたマーケティングとは対照的に、シルバー世代を狙って成功しているカジノホテルもあったそうです。
ラスベガス郊外のヘンダーソン市の「トリプルJ」というカジノでした。
「トリプルJ」は、地元の高齢者に焦点を合わせ、目や耳の不自由な人のために表示サインを工夫したり、ディーラーの声を拡声器で聞こえやすくするなどの工夫をしていました。
アリゾナ州フェニックスの近くに、定年退職した人たちだけが住む、サンシティー(太陽の町)と呼ばれているユニークな町があります。
「トリプルJ」では、この町の住民が気軽に行き来できるよう、シャトルバスを毎日走らせていました。